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第33回「ア・ディ・イン・ザ・ライフ(A Day in the Life)」の巻

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フォークソングやロックに興味を持ち始めた中学生の頃に購読していた音楽雑誌には、よく「名盤ランキング」といった企画があり、その中で今回ご紹介する「A Day in the Life」が収録された「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」は必ず上位にリストされ、50年以上経った現在でもロックの名盤の代名詞的な地位を確立しています。 以前にもお話ししましたが、当時はネット配信はおろか貸しレコード屋も無かった時代ですから、新しい音楽を聴くためにはレコードを買うか、友達に借りるしかありませんでした。ですから、なけなしのお小遣いでどのアルバムを買うかは中学生の自分にとっては極めて重要な問題で、純真な少年が音楽雑誌の偉いセンセイの言葉を信じてこのアルバムを買って、ワクワクしながら初めて聞きましたが、 当時の正直な感想は「ん?」といった感じでした。 このアルバムは、ペッパー軍曹(Sgt. Pepper)という架空の人物が率いるバンドの公演という一つのテーマ(コンセプト)で制作され、史上初の「コンセプト・アルバム」として評価されています(史上初かは諸説あります)。ただ、収録曲はビートの効いた典型的なロックンロールは少なく、比較的静かなポップスやよく分からないインド音楽などもあり、当時ディープ・パープルが大好物だった自分には、正直物足りない感じがしました。 このようにアルバム全体の印象は微妙でしたが、 アルバムのラストを飾る「A Day in the Life」は別格で、この曲の持つ圧倒的な「凄み」は、中学生の自分にも分かりました。 前置きが長くなってしまい、申し訳ありません。それではお聞きください、ビートルズのカバーで「A Day in the Life」です。 この曲の聞かせどころは、何と言ってもジョンのパートから、ポールのパートに移る際のオーケストラの演奏部分ですが、いろいろ試してみましたが、オリジナルとは大分違う感じになってしまいました。それでも、ジョンのボーカルは結構オリジナルに寄せることができたと思っています。 さて、恒例のお口(耳?)直しですが、今回も素直にご本家のMVをご紹介します。オーケストラの演奏の様子が伺えて、なかなか興味深いです。 改めて聞き比べると、まだまだ修行が足りないことを実感します。 今回も最後までお付き合いい...

第32回「イン・マイ・ライフ(In My Life)」の巻

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今回はまたビートルズに戻って、「In My Life」をご紹介します。この曲は昭和40(1965)年にリリースされた彼らの6枚目のアルバム「ラバー・ソウル(Rubber Soul)」に収録されています。 全くお恥ずかしい話ですが、このブログを書くまで、「ラバー・ソウル」のスペルは、「Lover Soul」で「恋人たちの気持ち」とかなんとか、そんな意味だと勝手に思ってましたが、本当は「Rubber(ゴム製)」で「Rubber Soul」は「Rubber Sole(ゴム製の靴底)」をもじって、前回ご紹介したローリング・ストーンズが、あるブルース奏者に「Plastic Soul(まがいもののソウル(音楽))」と揶揄されたのを聞いて、ポールがPlasticよりも柔らかくて安っぽいイメージのRubber (ゴム製)のSoul(音楽)と名付けたそうです。 この曲の作詞はジョンで、彼が初めて意識して自分の人生について書いた曲だそうです。この曲に限らず、収録された楽曲はそれまでのアルバムから大分変化して、シンプルなロックンロールから、より芸術性の高い音楽を指向しており、このアルバムは彼らの歴史の中で節目のアルバムとして位置づけられています。 前置きが長くなりましたが、観てやってください。The Beatlesのカバーで「In My Life」です。 今回、 自分としては、結構満足のいく出来になりましたが、 如何でしたでしょうか? 動画に使用したイラストは、話題の画像生成AIに挑戦して作ってみました。2枚目と3枚目のイラストはスタイルの指定は「デフォルト」で「コーヒーを飲みながら自宅の窓からロンドンの街を眺めるジョン・レノン」と指示したら出てきました。また、1枚目はスタイルを「アニメ」、4枚目は「ジブリスタジオ」で「リバプールの街を歩く若い頃のジョン・レノン」と指示したイラストです。 (こんなイラストが簡単に、しかも無料で出来てしまうのですから、大変な世の中になりました。還暦ジジイは何とか世の中について行ってますw) さて、恒例のお口(耳?)直しですが、今回も素直に本家のオフィシャル ビデオをご紹介します。お楽しみください。 今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。次回もビートルズの曲をUPする予定ですので、また是非覗きにきてください。ではでは。 (よろしかったら、...

第31回「サティスファクション」の巻

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3回続けてビートルズをお送りしたので、今回は英国を代表するもう一つののロックバンド、The Rolling Stonesをご紹介します。 The Rolling Stonesは、昭和37(1962)年にロンドンでMick Jagger、Keith Richard、Brian Jonesらによって結成され、その後、Brian Jonesの脱退(直後に自宅プールで事故死されています。合掌)等、幾多のメンバーチェンジを経ながらも、現在まで1度も解散することなく、第一線で活動を続けるロック界のレジェンド・バンドです。 今回ご紹介する「サティスファクション」は、昭和40(1965)年にリリースされた彼らの7枚目のシングルで初の全米1位を獲得。全世界で500万枚を超える売り上げを記録し、世界的な人気を獲得する契機となった曲です。 前振りはこれくらいにして、聞いてみてやってください。The Rolling Stonesのカバーで「(I can't get no) Satisufaction」です。 これまでギターの音がなかなかイメージ通りの音色にならなくて、自分でもイマイチと感じることが多かったのですが、今回は結構原曲に寄せることが出来て、まぁまぁ満足できる仕上がりになりました。 一方で、歌詞のキモの「satisfaction」の部分ですが、音節と符割の調整がなかなか難しく、微妙な感じになってしましました。英語は日本語と比べて子音と母音の繋がりが非常に複雑なので、ボカロの調教は本当に大変です。(この辺はもっと精進しないといけないところです。) さて、恒例のお口(耳)直しですが、今回はご本家のライブを2本ご紹介します。 1本目は、昭和40(1965)年のライブ映像で、前述したこの後、薬物の過剰接種等を理由に脱退する(解雇される)Brian Jonesの元気な様子も見ることができます。 もう1本は、2013年のライブ映像です。 この時、Mick Jagger、Keith Richardはお二人とも御年70歳! 昭和の御代では薬物の不法所持で逮捕されたこともあり、The Rolling Stonesといえば退廃と薬物のイメージでしたが、平成・令和の御代では長寿で健康的なイメージになっていましたw(80歳になった昨年、18年振りの最新アルバムを発表して、2024年6月現在、元気に...

第30回「涙の乗車券」の巻

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節目の30回も前回に引き続きビートルズのカバーで「涙の乗車券(Ticket to ride)をお送りします。 この曲は、英国では昭和40(1965)年4月に9枚目のシングルとしてリリースされ、当然のようにチャート1位を獲得、また、5枚目のアオリジナル・アルバム「HELP」にも収録されています。ビートルズがコンサートツアーで世界中を飛び回り、人気絶頂だった頃の代表曲の一つです。 それでは、聞いてみてやってください、ビートルズのカバーで「涙の乗車券」です。 この曲の原題「Ticket to ride(乗車券)」に対して、邦題では「涙の」が付いています。英語が拙い自分でも、乗車券を買ったのは彼女だということは分かりましたが、これまで涙を流したのは、彼女の方だとばっかり思っていました。しかし、今回動画作成で訳詞を記載してビックリ! 涙を流したのは彼氏の方だったんですねー。(皆さん、知ってましたか?) さて、今回もお口(耳)直しは、ご本家の動画をご紹介します。お楽しみください。 この曲でリンゴは、両手で同時にドラムを叩く、とても珍しいドラミングをしています。自分のカバーでも、ここは頑張ってコピーしてみましたので、その辺を注意して聞いてもらえたら、ちょっと嬉しいです。 今回、数あるビートルズのヒット曲の中でこの曲を選んだ理由は、実は以下の動画をご紹介したかったからなんです。 第12回に登場したカーペンターズは、昭和44(1969)年にこの曲のカバーでデビューしました。何はともあれ、観てやってください。カーペンターズの「涙の乗車券」です。 ビートルズは、あまたのミュージシャンがカバーをしていますが、本家を超えるカバーはそうはありません。でも、個人的には、これは本家を超えていると思います。 因みに、こんな人たちもカバーしています。以下のリンク先を是非ご覧ください。(自分も今まで知りませんでした。ブログを書くためにいろいろ調べると新しい発見がありますw) (37) 涙の乗車券 CANDIES FINAL CARNIVAL - YouTube 今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。次回はビートルズが3作続いたので、ちょっとだけビートルズを離れようと思います。ご期待ください。(誰がだ!) (よろしかったら、以下をクリックしてください。) にほんブログ村

第29回「Twist & Shout」の巻

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自分がビートルズを聞き始めた半世紀前(!)には、ネット配信はもちろんのこと、貸しレコード屋も無く、好きな音楽を聴くには、レコードを買うか友達から借りるしかありませんでした。ですから、この時代に親に買ってもらったビートルズのベストアルバム(通称「赤盤・青盤」)は、おそらく自分の生涯で最も聞いたアルバムではないかと思います。 昨年11月にこの赤盤・青盤が半世紀ぶりに復刻されましたが、前回ご紹介した「I saw her standing there」と今回紹介する「Twist & Shout」は、復刻版のリリースに合わせて追加された楽曲です。 今回の復刻版では、新たな楽曲が追加されただけではなく、最新のAI技術を使って、音が格段に良くなっています。特に初期の録音は、ボーカル用と演奏用のたった2本のマイクで録音されたので、各楽器の音は混然一体となっていましたが、最新技術によって各パートの音が分離されて、はっきり聞こえるようになりました。(ある方がネットで説明していましたが、ホットココアをお湯に溶かす前のココアと砂糖の粉末に戻すようなものと言ってました。) 前置きが長くなってスイマセン。お耳汚しとなることは重々承知していますが、よろしかったら聞いてやってください。「Twist & Shout」です。 この曲は元々、ファーストアルバム「Please Please Me」のラストに収録されていますが、全14曲の内、先に発売されたシングル盤4曲を除く10曲を1日で録音するという過酷なスケジュール下、最後に収録されたのがこの曲で、ジョンの喉が限界を迎える中、復刻版ではリアルなジョンの魂のシャウトを聞くことができす。(この曲を歌い終えた後、ジョンはしばらく声が出なかったそうです。)是非お楽しみください。 ビートルズ・ファンは大きくジョン派とポール派に分かれ、自分はこれまで圧倒的にポール推しでしたが、最近、彼等の初期のライブを改めて観るようになって、「この時代のジョンもいいなー」と思うようになりました。 最後にこの人のカバーもご紹介します。タイトルは「ひねってワォ!」ですw 今回も最後まで見てくれて、ありがとうございました。次回もビートルズナンバーを予定していますので、また、覗きに来てください。ではでは。 (よろしかったら、以下をクリックしてください。) にほんブログ村

第28回 「I saw her standing there」の巻

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1カ月遅れになってしまいましが、今年もよろしくお願いいたしますm(__)m ちょっと前になりますが、昨年11月にビートルズの最後の新曲「Now and Then」が発売され、また、1973年にリリースされたベスト盤(通称、赤盤・青盤)がデジタル・リマスターで再発売されて、久しぶりにビートルズが世間の話題となりました。 実は3年ほど前にリタイア後の楽しみとして、ボカロに歌わせようと、ビートルズのバンドスコア本を買いましたが、収録曲数はなんと60曲!(w) これから一生かかってもカバーしきれない程の在庫を抱えて、どうしたものかと考えていたのですが、これらの曲をカバーするのは、ビートルズが話題となったこのタイミングしかないと思い、今年はビートルズを中心に60~70年代のBritish Rockを特集することにしました!!(せいぜい、頑張れよ) 特集の1曲目は、やっぱりこの曲「I saw her standing there」をご紹介したいと思います。この曲は、英国で昭和38(1963)年3月にリリースされたビートルズの1 st アルバムの「Please Please Me」の1曲目に収録されています。冒頭のポールの"One Two Three Four”のカウントは、「世界を変えた4カウント」と言われており、個人的には、1st シングルは、「Love me do」ではなくて、こっちの方が断然よかったんじゃないかと思いますが、皆さん、どう思いますか? さて、今回のカバーですが、元々のポールのボーカルのイメージが強すぎて、何をどうやっても「イマイチ」感が拭えず、なんとも微妙な仕上がりになってしまいましたが、どうかお付き合いください。 今回もいつものピアプロから、とりねこさま、afterさまの素敵なイラストを利用させていただきました。ありがとうございました。 この当時、洋楽の多くには邦題が付けられていました。(中には、「A Hard Day's Night(ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!)」なんて、原題の原型をとどめないぶっ飛んだものもあって、これはこれで楽しいですね。) 今回の曲は、原題のカタカナ表記しか見たことがなかったので、邦題を付けるとしたら、どんな感じになるかなーなんて考えながら、ネットでこのブログのネタを探していたら、この曲の邦題があった...

第27回「クリスマス・イブ」の巻

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さすがに楽曲制作や動画編集にもだいぶ慣れてきて、クリスマス・シーズンに余裕で間に合いました! というわけで、前回ご案内しましたように、今回は山下達郎さんの不朽の名作「クリスマス・イブ」をご紹介します。 この曲は、山下達郎さんの昭和58(1983)年にリリースされた7枚目のアルバム「MELODIES」に収録され、同年12月にシングルが発売されましたが、その時はオリコンチャートで44位が最高位でした。しかし、昭和61〈1986)年にシングルが再発売され、昭和63(1988)年にJR東海のCMソングに起用されると、徐々に売り上げを伸ばし、平成元(1989)年12月には、オリコンチャート1位を獲得します。発売から1位を獲得するまでの期間、6年6カ月は当時の最長記録だったそうです。 そして、シングル再発売以降、毎年クリスマスの時期が近づくとオリコンチャートにランクインするようになり、令和4(2022)年まで37年連続のチャートインを達成して、これはギネス世界記録を更新中です。今年は、平成25(2013)年の30周年に続き、40周年記念としてアナログレコードがリリースされ、今年も38年連続のチャートインが確実視されています。 この曲の最大の特徴は、何と言っても曲の途中のカノン風の荘厳なコーラスにありますが、これは達郎さんがお一人で8時間かけて収録したそうです。この曲の制作にあたって、これまでであれば、このコーラスをMEIKO一人に歌わせなければいけませんでしたが、前々回にご報告しましたように、今は新たに8人のボーカロイドが加わりましたので、パート毎に別のボーカルを起用して、それなりのコーラスに仕上がりました。 また、この曲独特の空気感も、音楽制作ソフトが備えているリバーブ(所謂エコーのような音響効果)等の機能を駆使して、オリジナルの雰囲気に近づけることができました。 自分的には、これまで制作した楽曲の中で最も満足度の高い仕上がりになりましたので、是非聞いてやってください。 山下達郎さんのカバーで「クリスマス・イブ」です。 今回もいつものピアプロから、陽名さま、KONPASUさま、カラコロさまの素敵なイラストを利用させていただきました。ありがとうございました。 さて、恒例のお口(耳?)直しですが、今回はやっぱり、この曲がヒットするきっかけとなったJR東海のCM集をご紹介します。 ...